名取市の不動産売却|名取市の空き家や空き地の実態、管理や売却する際に注意すべきことを解説!

目次

名取市の空き家に関する現状と将来

人口の推移と将来推計

全国的な人口減少が進行する中、名取市の総人口は増加傾向にあります。
平成30年(2018年)の総人口は78,408人でしたが、令和6年(2024年)10月1日時点で82,200人と3,792人増加する見込みです。
さらに、令和12年(2030年)には85,000人に達すると予測されています。
しかし、年齢別に見ると15~64歳の生産年齢人口は減少傾向にあり、0~14歳の年少人口と65歳以上の老齢人口は増加しています。
令和15年(2033年)をピークに人口は減少に転じると推計されています。
また、市域全体では人口増加が続くものの、地区ごとに見ると減少しているところもあります。

全国・宮城県・名取市の住宅数と空き家数の推移

国が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は年々増加しており、平成30年(2018年)現在で8,488,600戸となっています。
これは平成25年(2013年)に比べて293,000戸の増加で、空き家率も平成30年(2018年)現在で13.6%と上昇傾向にあります。

宮城県の空き家率は調査年度によって増減がありますが、全国平均より低い水準を保っています。
名取市では、平成30年(2018年)の空き家数が3,550戸で、平成25年(2013年)の2倍以上に増加しています。
これは平成20年(2008年)を1,180戸上回る数です。
平成20年(2008年)から平成25年(2013年)にかけての空き家数の減少は東日本大震災の影響と考えられます。
平成30年(2018年)の空き家率は11.0%であり、これは平成20年(2008年)および平成25年(2013年)を上回るものの、全国平均および宮城県平均よりも低い水準です。

名取市の総人口は増加傾向にありますが、年齢別の人口構成や地区ごとの人口動態には注意が必要です。
また、空き家の増加は全国的な傾向に沿っていますが、宮城県および名取市では全国平均よりも低い水準を維持しています。
これらのデータを踏まえ、名取市では人口減少対策や空き家対策が重要な課題となっています。
特に、空き家の適切な管理や有効活用が地域の活性化に寄与するため、今後の施策が期待されます。

名取市の地域特徴と空き家の状況

1. 増田地区

増田地区は、行政・商業・経済・文化などの都市機能が集中した名取市の中心地域です。
仙台空港アクセス線の整備に伴い計画的に整備された杜せきのした地区も含まれます。
生活利便施設が多く立地していますが、県道仙台名取線沿道では空き店舗の発生が見られ、商業機能の衰退が進んでいます。
空き家は杜せきのした地区以外に存在します。

2. 増田西地区

増田西地区は、都市基盤が整い、生活利便施設が多く立地する利便性の高い地域です。
空き家は少ないものの、特定空き家候補が存在しております。

3. 名取が丘地区

名取が丘地区は、古くから市街地が形成されており、団地内の高齢化が進んでいます。
その結果、空き家や空き地が増加し、特に敷地内の雑草繁茂など衛生面での問題が見られます。
防犯上の問題や地域コミュニティへの影響も懸念されています。

4. 閖上地区

閖上地区は水産業の拠点であり、歴史のある市街地が形成されていましたが、東日本大震災で大きな被害を受けました。
現在は復興が進み新たな街が完成していますが、区画整理区域外には特定空き家候補が多く存在します。

5. 下増田地区

下増田地区は農地が大部分を占め、仙台空港アクセス線の整備により市街地が計画的に整備されています。
美田園地区では良好な住環境が整い、北釜地区では震災被害後の集落跡地が産業用地として有効活用されています。
全体的に空き家は少ない地域です。

6. 館腰地区

館腰地区は、JR東北本線と国道4号、県道愛島名取線を軸に市街地が形成されています。
インターチェンジの交通結節性を利用した産業土地利用の可能性が高い地域です。
空き家・空き地はほぼ適正管理されていますが、特定空き家候補も存在します。

7. 愛島地区

愛島地区は北西部に山林、南東部に農地が広がる地域です。
市街地には空き家が発生し、防犯上の問題や地域コミュニティへの影響が懸念されています。
特に愛島台西部にはまとまった空宅地があり、土地の有効活用が必要です。

8. 高舘地区

高舘地区は高舘山を中心に文化財が集中する地区です。
歴史的な風土が残り、空き家は比較的多く存在しますが、雑草繁茂など不衛生なものが多く見られます。

9. ゆりが丘地区

ゆりが丘地区は平成初期に造成された丘陵部で、尚絅学院大学が立地しています。
若者や高齢者の転出が多く、空き家も増加しています。空き家の多くは雑草繁茂など不衛生なものです。

10. 那智が丘地区

那智が丘地区は平成初期に造成された閑静な住宅街で、地域活動が活発です。
空き家は少ないものの、突出して空き地が多く存在します。住み替えによる高齢者の転出も見られます。

11. 相互台地区

相互台地区は仙台市内や仙台南インターチェンジへのアクセスが良好な地区です。
ラウンドアバウトを配置し、静かで落ち着きのある街並みが特徴です。空き家は少ないですが、迷惑空き家も存在します。

名取市の各地域では、空き家や空き地の状況が地域ごとに異なります。それぞれの地域特性に応じた適切な管理と有効活用が求められます。
特定空き家候補の適正な管理や、防犯対策、地域コミュニティの維持が重要な課題です。
地域ごとの特徴を踏まえた取り組みを進めることで、名取市全体の活性化を図ることが期待されます。

空き家・空き地が抱える問題

空き家・空き地が抱える問題についてポイント毎に説明していきます。

老朽化と安全性の問題

空き家が長期間放置されると、建物の老朽化が進み、安全性が低下します。
特に、倒壊や火災のリスクが高まり、近隣住民にとって危険な存在となります。

衛生面の問題

適切に管理されていない空き家や空き地は、不法投棄や雑草の繁茂、害虫や小動物の繁殖など、衛生面での問題を引き起こす可能性があります。

地域経済への影響

空き家や空き地が増加すると、地域の景観が損なわれるだけでなく、不動産価値の低下や地域全体の活力低下にもつながります。
これにより、新規住民の流入が減少し、地域経済に悪影響を及ぼします。

法的な課題と対策

日本では増える続ける空き家問題対策として法整備を進めています。
具体的な内容について説明していきます。

空き家対策特別措置法

日本では、空き家対策特別措置法が施行され、自治体が空き家に対して適切な措置を講じることが義務付けられています。
この法律により、名取市でも空き家の実態調査や、危険な空き家の特定、所有者への指導が行われています。

固定資産税の見直し

空き家の増加を抑制するために、固定資産税の優遇措置が見直されています。
適切に管理されない空き家には、通常の住宅用地よりも高い税率が適用される場合があります。

社会的影響と地域社会の変化

空き家・空き地が抱える社会的な影響と地域社会に与える変化は大きなものです。

社会的影響

空き家や空き地の増加は、地域社会に小さくない影響を及ぼします。
例えば、地域の安全性が低下し、不審者の侵入や犯罪の温床となることがあります。
また、地域の美観を損ねることで、住民の生活満足度が低下する可能性があります。

地域社会の変化

空き家や空き地の増加に伴い、地域コミュニティが変化することもあります。
例えば、地域活動が減少し、住民同士のつながりが希薄になることがあります。
これにより、地域の連帯感が失われ、孤立感を感じる住民が増えることがあります。

名取市の空き家・空き地の適切な管理について

1. 定期的な点検とメンテナンス

点検の重要性

空き家や空き地を適切に管理するためには、定期的な点検が欠かせません。
建物の外観や構造、安全性を確認し、問題があれば早期に対処することが重要です。

メンテナンスの具体例

  • 建物の修繕: 屋根や外壁の修繕、雨漏りの防止、基礎の補強など。
  • 庭や敷地の管理: 雑草の除去、樹木の剪定、不法投棄物の処理など。

2. 防犯対策

防犯設備の導入

空き家は、不審者や不法侵入者の標的になりやすいです。
防犯カメラやセンサーライトを設置し、侵入を未然に防ぐことが重要です。

近隣住民との連携

近隣住民との連携を強化し、空き家の異常を早期に発見するための協力体制を築くことも有効です。
自治体や地域コミュニティと連携し、防犯対策を強化しましょう。

3. 適切な管理会社の選定

管理会社の役割

空き家や空き地の管理を専門の管理会社に委託することで、適切な点検やメンテナンス、防犯対策を実施することができます。
管理会社は、プロフェッショナルな視点で物件の状態を把握し、必要な対策を講じることができます。

管理会社の選び方

管理会社を選定する際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 実績: 管理会社の実績や評判を確認します。
  • サービス内容: 提供されるサービス内容が自分のニーズに合っているかを確認します。
  • 料金: 管理費用が適正であるか、複数の会社から見積もりを取り比較します。

4. 定期的な報告とコミュニケーション

報告の重要性

管理会社に委託する場合でも、定期的に物件の状態や管理状況について報告を受けることが重要です。
報告を受けることで、物件の状態を把握し、必要な対策を講じることができます。

コミュニケーションの取り方

管理会社とのコミュニケーションを密に保ち、疑問や問題があればすぐに相談することが重要です。
定期的な打ち合わせを設定し、物件の管理状況を確認しましょう。

5. 法的手続きと所有者責任

法的手続きの確認

空き家や空き地の管理に際して、所有者には一定の法的手続きや責任があります。
例えば、固定資産税の支払い、適切な管理状態の維持、近隣住民への影響に配慮することなどが求められます。

所有者責任の理解

所有者としての責任を理解し、法令を遵守することが重要です。
特に、空き家対策特別措置法に基づく行政指導や措置に対応するため、必要な準備を行いましょう。

6. 環境への配慮

環境保護の重要性

空き家や空き地の管理においては、環境保護の観点からも配慮が必要です。
特に、放置された物件が周囲の環境に悪影響を及ぼすことがないように注意することが重要です。

エコフレンドリーな管理方法

エコフレンドリーな管理方法を取り入れることで、環境への負荷を軽減することができます。
例えば、自然素材を使用した修繕や、再生可能エネルギーの活用などが考えられます。

名取市の空き家・空き地の有効活用について

1. 不動産売却

売却のメリット

空き家や空き地を売却することで、管理の手間やコストを削減できるだけでなく、不動産価値を活用して資金を得ることができます。
また、売却によって新たな所有者が有効活用することで、地域の活性化にも寄与します。

売却の手順

  • 市場調査: 不動産市場の動向を調査し、適正な売却価格を設定します。
  • 不動産業者の選定: 信頼できる不動産業者を選び、売却のサポートを受けます。
  • 売却活動: 不動産業者と協力し、物件の広告や内覧会を実施します。
  • 契約と引渡し: 売買契約を締結し、引渡し手続きを行います。

2. 賃貸利用

賃貸のメリット

空き家や空き地を賃貸に出すことで、安定した収入を得ることができます。
また、賃借人によって物件が適切に使用されることで、老朽化や防犯上の問題を軽減できます。

賃貸の手順

  • 市場調査: 賃貸市場の動向を調査し、適正な賃料を設定します。
  • 不動産業者の選定: 信頼できる不動産業者を選び、賃貸のサポートを受けます。
  • 賃貸募集: 不動産業者と協力し、物件の広告や内覧会を実施します。
  • 契約と管理: 賃貸契約を締結し、賃貸管理を行います。

3. リノベーションと再利用

リノベーションのメリット

空き家をリノベーションすることで、物件の価値を高め、魅力的な住居や商業スペースに再利用することができます。
これにより、地域の魅力が向上し、新たな住民や事業者の流入を促進します。

リノベーションの手順

  • 調査と計画: 物件の状態を調査し、リノベーションの計画を立てます。
  • 専門業者の選定: 信頼できるリノベーション業者を選び、工事を依頼します。
  • 工事と完成: リノベーション工事を実施し、物件を再利用可能な状態にします。

4. コミュニティスペースとしての活用

コミュニティスペースのメリット

空き家や空き地をコミュニティスペースとして活用することで、地域住民の交流の場を提供し、地域の絆を深めることができます。
また、イベントやワークショップの開催を通じて、地域の活性化にも寄与します。

コミュニティスペースの手順

  • 計画と準備: コミュニティスペースとしての利用計画を立て、必要な準備を行います。
  • 運営と管理: 地域住民や自治体と協力し、運営と管理を行います。
  • イベントの開催: 定期的にイベントやワークショップを開催し、地域住民の参加を促します。

5. 農地やガーデンとしての活用

農地活用のメリット

空き地を農地として活用することで、地域の食糧自給率を向上させることができます。
特に、都市農業やコミュニティガーデンとして活用することで、地域住民が農作業を通じて交流を深めることができます。

農地活用の手順

  • 土地の調査: 土地の状態を調査し、農地として適しているかを確認します。
  • 計画と準備: 農地活用の計画を立て、必要な準備を行います。
  • 運営と管理: 地域住民や専門家と協力し、農地の運営と管理を行います。

6. 商業スペースとしての活用

商業スペース活用のメリット

空き家や空き地を商業スペースとして活用することで、地域経済の活性化を図ることができます。
特に、カフェやショップ、アトリエなどとして利用することで、地域の魅力を高めることができます。

商業スペースとしての利用計画を立て、必要な準備を行います。
市場調査に基づいて、ターゲットとする業種やサービス内容を決定し、物件の改装や設備導入の計画を立案します。

  • 運営と管理: ビジネスパートナーや地域住民と協力し、商業スペースの運営と管理を行います。
    賃貸借契約の締結や賃料設定、運営方針の決定など、細部にわたる管理業務を実施します。

7. エネルギー利用の促進

再生可能エネルギーの導入

空き家や空き地に再生可能エネルギーを導入することで、持続可能なエネルギー利用を推進することができます。
特に、太陽光発電や風力発電などを導入することで、環境負荷を軽減し、エネルギーコストを削減することができます。

エネルギー利用の手順

  • 調査と計画: エネルギー利用の計画を立て、適切な設備を導入します。
  • 専門業者の選定: 信頼できるエネルギー業者を選び、設備の導入を依頼します。
  • 運営と管理: 専門家と協力し、エネルギー設備の運営と管理を行います。

まとめ

空き家・空き地の現状と課題

名取市では、人口減少や高齢化に伴い、空き家や空き地が増加しています。
これらの不動産は、老朽化や衛生面、防犯上の問題を引き起こす可能性があり、地域経済にも悪影響を及ぼします。
具体的には、名取市内の空き家数は平成 30(2018)年に3,550戸、空き家率が11%となっています。

適切な管理と有効活用の重要性

空き家や空き地を適切に管理し、有効活用することで、地域全体の活性化につながります。
定期的な点検やメンテナンス、防犯対策、管理会社の活用などが重要です。
また、環境保護や法的手続きの遵守も欠かせません。

売却や賃貸、リノベーションの活用方法

空き家や空き地の売却や賃貸、リノベーションによる再利用、コミュニティスペースとしての活用、農地や商業スペースとしての利用など、さまざまな方法で不動産を有効に活用することができます。
具体的な手順を踏むことで、資産価値を高め、地域の魅力を向上させることが可能です。

今後の取り組み

名取市の空き家や空き地問題を解決するためには、自治体や地域住民、不動産業者らが協力して取り組むことが必要です。
適切な管理と有効活用を進めることで、地域の魅力を高め、持続可能な発展を目指しましょう。
名取市にお住まいの方や名取市に空き家・空き地を所有の方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。

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