事故物件とは?
事故物件とは、不動産の世界で特別な意味を持つ用語です。これは、その建物や住宅で過去に悲劇的な出来事が起こった場合に使われます。具体的には、殺人事件、自殺、火災による死亡事故などが該当します。つまり、その建物が「事故の場所」として知られるようになります。
事故物件の特徴をまとめると以下の通りです。
・心理的瑕疵を有している
・査定結果が周辺相場よりも安くなる
・告知義務を有している
事故物件の存在にはいくつかの特徴があります。まず、心理的瑕疵があります。これは、建物やその周辺で起こった不幸な出来事が、その場所についての人々の心理的なイメージや感情に影響を与えることを指します。たとえば、その場所を恐れる人が増えたり、その建物が不安を引き起こすようになる可能性があります。主な心理的瑕疵の事例として、自殺があった、殺人事件があった、事故(火災や転落など)による死亡があったなどが挙げられます。
また、事故物件の査定額は一般的に周辺相場よりも低くなります。これは、その建物の過去の出来事が、その価値を下げる要因となるためです。購入者は、事故物件に住むことに対するリスクを考慮し、通常よりも安い価格でその建物を購入することが期待されます。瑕疵の内容や不動産の状況にもよりますが、一般的には査定額が周辺相場より2~3割程度低くなると言われています。
さらに、売主は買い手に対して事実を告知する義務があります。これは、「告知義務」と呼ばれ、事故やその他の問題があったことを隠すことはできません。つまり、買い手はその建物の歴史や問題について正確な情報を受け取る権利があります。告知義務があった場合は、必ず売買契約を締結する前に説明をします。この義務を果たさなかった場合、契約違反となるので注意が必要です。これにより、買い手が十分な情報を得て取引を行うことができます。
要するに、事故物件は過去の不幸な出来事によって特別な意味を持つ不動産です。その建物の価値や魅力は、その過去の出来事によって大きく左右されることがあります。そして、事故物件の取引には正確な情報の伝達が不可欠であり、これが取引の透明性と公平性を確保する重要な要素となります。
事故物件を売却する方法
事故物件を売却する際には、主に3つの方法があります。
- 不動産会社の仲介で売却する
不動産会社を通じて売却する方法です。事故物件は買い手が少なくなる傾向がありますが、全く売れないわけではありません。周辺相場よりも安く売り出すことが通常ですが、心理的瑕疵を気にせずに購入する買い手もいます。不動産会社と相談し、適切な価格や売り方を決めましょう。 - 時間が経ってから売却する
一定の時間が経過すると告知義務がなくなるわけではありませんが、心理的な障壁が薄れる可能性があります。数年経った後に売却する方法もありますが、建物の劣化や維持費の問題に注意が必要です。また、一戸建ての場合は解体して土地として売却することも検討できます。 - 不動産会社に買取してもらう
買い手を探すのが難しい場合や、待つことができない場合には、不動産会社に買取を依頼する方法もあります。ただし、買取価格は相場よりも安くなる可能性が高いです。将来的にどのように物件を処理したいかを考え、不動産会社と相談しましょう。
事故物件は、殺人や自殺、事故によって生じます。これらの出来事は予測できないものであり、所有者が望んだり防ぐことができるものではありません。もし所有している不動産が事故物件になってしまった場合は、事実を隠したり一人で悩んだりせず、専門家である不動産会社に相談することが大切です。
株式会社AlbaLink( https://albalink.co.jp/ )が運営する訳あり物件買取プロ( https://wakearipro.com/ )は、全国の男女500人を対象に許容できる心理的瑕疵物件のレベルについて2022年10月にアンケート調査を実施しました。
調査概要
調査対象:全国の男女
調査期間:2022年10月14日~16日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性337人/男性163人)
回答者の年代:10代 0.8%/20代 14.6%/30代 39.2%/40代 26.4%/50代 14.4%/60代 4.6%
調査結果サマリー
・心理的瑕疵物件に抵抗がある人は85.8%
・心理的瑕疵物件はレベルに関わらず許容できない人が半数以上
男女500人に「心理的瑕疵物件に住むことへの抵抗感」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「とても抵抗がある」「やや抵抗がある」と答えた人が85.8%で多数。
多くの人が「心理的瑕疵物件には住みたくない」と考えているとわかります。
また男女別で比較したところ、以下のような差が出ました。
「とても抵抗がある」「やや抵抗がある」と答えた女性は91.4%。
男性の74.2%に比べて、17%ほど多くなりました。
「全く抵抗がない」と答えた人の割合も、女性0.3%に対し男性は8.6%と差が目立ちます。
女性のほうが男性に比べ、心理的瑕疵物件に対し「怖い」「事件・事故のことを考えて暗い気持ちになる」など、抵抗を感じやすいようですね。
では「抵抗を感じる理由」「感じない理由」について、具体的な回答をもとに紹介します。
抵抗がある人の理由
- 私は怖がりなので、心理的瑕疵物件だと「お皿が落ちた」「電球が切れた」といった些細なことも「瑕疵物件のせいだ」と思ってしまい、生活にならないと思う(20代 女性)
- 家には安らぎを求めるので、「治安が悪そう」「怖いな」と思ってしまう物件には住みたくない(30代 女性)
- 単純に怖いからです。病死や孤独死なら仕方ないとも思いますが、やはり知ってしまうと契約する気にはなれません(40代 女性)
- 自分の性格が極端に神経質であり、潔癖症なため(50代 男性)
- 同居人がいれば怖さは少し軽減するかもしれませんが、自分の場合は単身で転居することになるし、在宅時間が長いのですごく抵抗があります(60代以上 女性)
「抵抗がある」という人からは、「怖い」「安らげない」という意見が多数。
「実害はないと思うけれど、やっぱりイヤ」という人も。
幽霊や心霊現象を信じているかいないかに関わらず、「心理的瑕疵物件では気持ちよく過ごせない」と感じる人が多いようですね。
抵抗がない人の理由
- 幽霊を信じていないからです(20代 男性)
- 相場より安く住めるのは魅力(30代 男性)
- きれいにクリーニングされていたら気にしないです。どこでも人は死ぬし、霊感などまったくないためです(30代 女性)
- 僕は心霊現象が大好きです。なので本当に心霊現象が現れるのか見てみたい(40代 男性)
- 貸主が最低限の「お祓い」などはしていると思うので(50代 男性)
「抵抗がない」と答えた人からは、「安いからメリットがある」といった意見が目立ちました。
実際、心理的瑕疵物件は事情に配慮して家賃や売値が安く設定されることも多いです。
また「気にしていたら、どこにも住めない」という人も。
実際、国土交通省のガイドラインによると、賃貸物件における心理的瑕疵(自殺や死亡事故など)の告知すべきなのは瑕疵発生から3年間。
そのため3年より前に発生した瑕疵については教えてもらえないこともあり、知らないまま気にせず住んでいる可能性もあります。
また少数ですが「心霊現象を体験したい」「話のネタになりそう」と、心理的瑕疵物件に住むことを面白がっている人もいました。
事故物件をテーマにした書籍や映画が話題になったことが影響しているのかもしれません。
許容できる心理的瑕疵物件ランキング
男女500人に「許容できる心理的瑕疵物件」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「いずれも許容できない(289人)」です。
2位「周辺に墓地・火葬場・遊戯施設・工場などがある(147人)」、3位「孤独死(特殊清掃済み)(96人)」、4位「事故死(89人)」、5位「孤独死(死後数日以内)(74人)」と続きます。
「全部NG」という人がダントツで多くなっていますね。
「何の心配もなくリラックスして過ごせる家に住みたい」というのが、大多数の本音でしょう。
順位が低い(許容できない人が多い)のは、「周辺に反社会的勢力の拠点がある」「殺人」でした。
「部屋自体の心理的瑕疵は許容できても、治安の悪さは避けたい」と考える人が多いのだと推測できます。
では具体的な回答をもとに「すべてNGな理由」「それぞれの心理的瑕疵を許容できる理由」を紹介します。
1位 いずれも許容できない
- 自分の性格上、あれこれ神経質に気にしてしまって穏やかに暮らせない(30代 女性)
- どれもネガティブで、生活するのは厳しいと感じた。精神が圧迫されそう(30代 男性)
- 何もないなら、何もない方がいい(50代 男性)
1位は「いずれも許容できない」でした。
「心霊現象への恐怖」「工場などからの異臭や騒音」「反社会的勢力の事務所があることによる治安への不安」は、どれもないに越したことはないですよね。
コメントにもあるとおり、「何もない方がいいに決まっている」と考える人は多いでしょう。
とくに神経質だったり心配性だったりする方は、心理的瑕疵を感じる物件は避けたほうがよさそうですね。
2位 周辺に嫌悪施設がある
- 墓地など「イメージが悪いだけ」なら許容できる。騒音など実害がある施設は、実害の種類や程度による(20代 男性)
- 室内に影響がなければ、周辺のことは気にしない(30代 女性)
- 遊戯施設や工場にはあまり嫌なイメージがない。騒音や悪臭などの実害が少なければ問題ない(40代 女性)
「周辺に嫌悪施設がある」が2位。
「墓地」「火葬場」「遊戯施設」「工場」などは嫌悪施設と呼ばれ、嫌悪施設が近くにある物件は「何となくイメージが悪い」と敬遠されることもあります。
ただ実際には「イメージが悪いだけで実害がないなら許容できる」「社会・生活に必要な施設だし気にしない」という人も多いとわかります。
一方で施設からの騒音や臭いが気になる場合は、避けたいと考える人も多いことがわかりました。
3位 孤独死(特殊清掃済み)
- 特殊清掃が入っていて怨念がなさそう(20代 女性)
- 特殊清掃された場合は「部屋のどこで亡くなったか」が特定できないため(40代 男性)
- 自然死は日常生活で十分ありうることなので許容範囲。ただし清掃はきちんとしておいてほしい(50代 女性)
3位は「孤独死(特殊清掃済み)」。
「特殊清掃されていれば部屋がキレイになっているはずなので許容できる」という意見が多数。
部屋に「シミ」「臭い」などの物理的な問題がなければ、気にしない人も多いとわかります。
また事件性がないせいか「孤独死なら怨念が少なそう」という回答も少なからずありました。
4位 事故死
- 殺人や自殺よりも「仕方がなかったのかな」と感じて、許容できると思います(20代 女性)
- 偶発的な事故は気にならないから(40代 女性)
- 事故死は不慮の出来事なので、十分許容できる(60代以上 男性)
4位は「事故死」。
自宅内でも「お風呂での溺死」「食べ物がのどに詰まっての窒息死」「転倒・転落して死亡」などの事故死は起こります。
厚生労働省の「人口動態統計(2020年)」によれば、年間1万3千人以上が家庭内の事故で亡くなっています。
珍しいことではないからか、「不慮の事故なら気にならない」という人も多くなりました。
なお不慮の事故(特殊清掃なし)であれば、賃貸・売買契約時に心理的瑕疵の告知はしなくていいことになっています。
5位 孤独死(死後数日以内)
- 死後数日以内の孤独死はイメージがそんなに悪くないし、建物へのダメージも少なそう(20代 男性)
- すぐに発見されてご遺体の状態が悪くないのであれば、あまり気にはしません(30代 女性)
- 孤独死はよくありそうなので(40代 女性)
5位は「孤独死(死後数日以内)」です。
「孤独死はよくある」「すぐに発見されたのなら、室内への影響も少ないだろう」といった理由で気にしない人が多くなりました。
事件性もないため、殺人や自殺に比べて恐怖心が少なくなるのかもしれません。
ちなみに特殊清掃が不要だった孤独死(自然死)の場合、賃貸・売買契約時の告知は不要とされています。
そのため、前住人が孤独死したことを知らずに入居している人もいると考えられます。
6位 自殺
- 人が亡くなったことに対しては、まったく抵抗がありません。歴史を振り返ったら、人が亡くなっていない土地なんてないと思います(30代 女性)
- 人が死ぬのは当たり前なので、「どこで誰がどうやって亡くなったか」にこだわるのは意味がないと思います(40代 男性)
- 物理的に痕跡が残っていないのであれば問題ありません。事故物件は家賃が安くなると期待できるのでメリットに思います(60代以上 男性)
6位は「自殺」でした。
「住むのに問題がなければ、前・元住人の死に方にはこだわらない」という意見が多数。
前提には「幽霊や怨念を信じない」という考え方があるのでしょう。
「自殺した人はこの世に恨みを残しているのでは」と考える人なら、なかなか許容できなさそうですね。
7位 火災(焼死)
- 放火だと話は別かもしれないですが「自殺や殺人よりはマシかな」と思う(30代 女性)
- 「火災は避けられない」というイメージなので、とくに問題はありません(40代 女性)
- 貸し出す際にメンテナンスされていれば問題ない(50代 男性)
7位は「火災(焼死)」でした。
失火による家事であれば、不慮の事故と同じ感覚をもつ人も多いようです。
ただ火事により建物がダメージを受けている可能性も高いので、火災後の住宅を契約する際は「物理的瑕疵がないか」をチェックしましょう。
8位 周辺に反社会的勢力の拠点がある
- 物件そのものに事件性があるわけではないため(30代 女性)
- 以前、反社会的勢力の拠点近くに住んでいた。事件は多少あったが、警察が巡回を強化していて安心できる部分もあった(40代 女性)
- 「関わらない」など、気を付けていれば大丈夫だと思うので(50代 男性)
8位は「周辺に反社会的勢力の拠点がある」でした。
「拠点が近くにあると事件に巻き込まれそうで怖い」と考える人も多いでしょう。
しかし「関わらなければ大丈夫」「拠点周辺は警察が警戒しているので、一般人に危害が及ぶことは少ないはず」というコメントも目立ちました。
家・部屋に問題がないなら、周辺環境は気にしない人も多いとわかります。
「家そのものに恐怖を感じるほうがツライ」という人も多いのでしょう。
9位 殺人
- 部屋の物理的破損がなければ許容できる(20代 男性)
- 死んだ場所がたまたまその不動産だっただけだから。人の死に方や場所についてはあまり関心がない(30代 女性)
- 殺人は基本気にしない。ただ事件から間がなく関係者やマスコミがうろつく状態なら許容範囲外(40代 男性)
9位は「殺人」でした。
「殺人が起きる場所は治安が悪いのでは」「怨念が残っていそう」と気にする人も多いですが、まったく気にしない人もいるのですね。
「自分の生活に実害がなければ、気にしない」という人もかなりいるとわかりました。
まとめ
心理的瑕疵物件に抵抗感を抱く人は多数。
しかし抵抗がある心理的瑕疵は人それぞれです。
「人が死んだ部屋は絶対無理」という人もいれば、「死因によっては許容できる」という人もいます。
アンケートでは、「家庭内での事故死」「孤独死」なら、人が死んだ部屋でも気にしない人が比較的多いとわかりました。
また「人が死んだ部屋でもいいが、健康や治安に影響しそうな周辺施設があるならNG」という人も。
幽霊や心霊現象を信じず、「自分の生活に実害があるか」を重視する考え方の人も多いようですね。
なお心理的瑕疵がある物件は、相場より家賃や売値が低くなっているケースも多いです。
そのため「神経質」「怖がり」「幽霊を信じている」といった人は、安い物件を見かけても飛びつかず、まず理由を探ってみましょう。
瑕疵発生から時間が経っていると不動産業者や売り主からは瑕疵について告知されないケースもありますが、周辺住民に聞いてみるとなにかわかるかもしれません。
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