相続した実家の遺品整理が進まず、再建築不可で売却が可能かも分からない場合どうしたら良いか

遺品整理

相続した実家の遺品整理をしたくても、なかなか忙しかったり、荷物の量が多すぎたりしてなかなか
作業が進まないなんてことをよく聞きます。
ただ家族の大切な形見や歴史が詰まっていてじっくり向きたい合いたいという気持ちもあるでしょう。

今回は、そんな実家を相続した場合で結果的に放置してしまったという内容です。
しかも、建物が再建築不可という特殊な条件があり売却できるかどうかも分からないというケースで
す。

目次

遺品整理が思いの外大変…

相談者様のお悩み内容

宮城県にお住まいの50代女性からのご相談でした。
実家を相続されて今後自分が住む予定が無いということですぐに売却をしようと考えましたが、荷物
が多すぎて遺品整理が一向に進んでいませんでした。

ただでさえ仕事に家事に忙しくて、自分1人では遺品整理の終わりが到底見えなくて、途方に暮れて
いたとのことです。

業者に依頼して片付けてもらうことも考えましたが、親との思い出を他人に任せて片付けることにや
っぱり抵抗があり、実質的に放置した状態が数年続いてしまいました。
しかも5年近く空き家の状況が続いたので、家の状態もあまり良くありませんでした。

また、相続した実家は前面道路の幅が4mに満ないため、再建築ができない土地であることが判明し、
売却できるのかどうかすら分からない状態で不動産売却と不用品回収をサービスとして提供できる当
社にご相談いただきました。

室内は物が溢れ立入れない状態

相続されてから何度か遺品整理を試みたものの、玄関から大量の遺品が腰高まで積みあがっており、
一向に作業は進まない状況でした。
お庭も剪定した木や不法投棄されたゴミが大量に積まれ、立入れない状態のため草が伸び放題
になっており色んな点でリスク満載の空き家となっていました。

定期的な換気や掃除を怠ると、ネズミや害虫(シロアリなど)が発生する可能性があります。
また、老朽化した家屋には害獣が容易に侵入できる“隙間”ができ、それらを修繕しなければ、ハクビ
シンやアライグマなどが天井裏や室内に棲みついてしまうこともあるのです。
空き家がこうした害虫や害獣の温床となってしまうと、悪臭や糞尿で不衛生極まりなく、近隣の住民
にも多大な迷惑をかける
ことになります。

庭付きの空き家で植栽があるという場合は、その管理が大変です。
定期的な手入れを怠れば、草木はあっという間に伸び放題となりますし、ひどい場合は、樹木の枝が
隣地に越境して隣人の迷惑になることもあります。

また、草木が生い茂る庭では蚊などが発生しやすくなり、これもまた、近隣の迷惑となります。
また、空き家の老朽化が進んでまるで廃墟のようになってくると、近隣の景観を損なうほか、そのよ
うな外観がゴミの不法投棄を誘引する可能性もあります。

一度ゴミが捨てられ始めると、(変な話ですが)ゴミがゴミを呼ぶようにして不法投棄が続き、気付
いたらゴミ捨て場のようになっていたというケースもあります。

庭の草木が繁茂している状態では、一見してすぐに、「この家には誰も住んでいない」ことが分かって
しまいます。
このような空き家は、落書きをされたり、不審者や犯罪者が入り込んだりする可能性があります。
また、不審火や放火の被害に遭うことも考えられ、火事となれば、近隣の住宅に与える被害も甚大な
ものとなります。
損害賠償の問題を含め、深刻な事態となるでしょう。

このように、空き家を放置することによる治安悪化のリスクは決して軽視できるものではありません。

不動産会社へ現況のまま売却

まずは空き家の内外に大量にあった不用品処分を進める必要があったため、当社と業務提携している
専門業者に見積りを依頼。
すると、処分だけで200万円を超える費用がかかることが判明しました。

また、ご相談の空き家は再建築ができないため住宅ローンが利用できず、自宅購入を検討される方へ
の売却は難しい状況でした。
そのため、売却先として想定できるのは不動産会社と不動産投資家でした。

不用品処分で200万円以上の負担が生じてしまうため、現況のまま(不用品処分をしない状態のまま)
購入してくれる不動産会社を探すことになりました。
駅から徒歩10分以内と利便性の高い地域にあったため、複数の不動産会社から購入したいとの打診が
あり、現況のまま売却することができました。
また、大量の物が邪魔で遺品整理ができていなかったため、床に積まれている不用品の処分がある程
度進んだところで、家族との思い出(写真など)や財産(不動産権利書など)を整理する時間も確保
することができました。

家族との思い出もきちんと整理ができて良かった

相談者様の声です。
あまりの物の多さに圧倒されてしまい5年間も放置してしまっていましたが、費用負担なく無事に売却
できて感謝しています。
また、家族写真などを探す時間もいただけたことで、改めて心の整理をすることもできました。
家の権利書や預金通帳もできてたので、その後の財産整理もスムーズにいきました。

本当にありがとうございました。

大量の荷物が積み重なって、なかなか遺品整理が進まなかった場合は、不用品回収業者に必要なものと
不要なものの選別から手伝ってもらうことで効率的に労力を極力掛けずに実行することができます。
極端に言うとゴミ屋敷の状態でも短時間で綺麗な状態に片付けることができます。
もしお困りの方がいらっしゃったらお気軽に当社へご相談ください。

相続した不動産が再建築不可の物件だった場合は?

相続後に再建築不可物件だとわかった場合、以下の対応が求められます。

  • リフォームをして住むか売却する
  • 隣地の所有者に売却する
  • 隣の土地を購入して再建築する
  • セットバックをして再建築する
  • 建築基準法第43条ただし書き道路の申請をして再建築する
  • 専門の買取業者に売却する

次項より、詳しく解説します。

リフォームをして住むか売却する

再建築不可物件は、解体して再建築することはできませんが、リフォームを通じて利用価値を高める
ことは可能です。
内装や外装の改修、最新設備の導入などにより、住み心地を向上させることができます。
リフォームによって物件の状態を改善すれば、売却時にも買い手がつきやすくなる可能性があります。

隣地の所有者に売却する

再建築不可物件は、通常の不動産市場では売却が難しいことが多いですが、隣接する土地の所有者に
とっては魅力的なケースもあります。
敷地の拡大や増築を考えている隣地の所有者に売却を提案するのは有効な方法です。

隣の土地を購入して再建築する

再建築不可の理由が敷地の幅員不足にある場合、隣接する土地を購入して敷地の幅を増やすことで再
建築が可能になる場合があります。
この方法は、隣地の所有者との交渉が必要です。

セットバックをして再建築する

特定の行政庁が指定した道路に面している場合、セットバックを行うことで建築規制をクリアし、建
て替えが可能になることがあります。
セットバックは建物を道路から一定の距離後退させることを指し、これによって敷地面積が小さくな
るデメリットはあるものの、自治体によってはその費用を補助してもらえる可能性もあります。

建築基準法第43条ただし書き道路の申請をして再建築する

建築基準法第43条の但し書き規定により、特定の条件下では幅員4m未満の道路でも再建築が可能に
なるケースがあります。
これは消防車や救急車の進入が可能な空間が確保されていれば、特例として再建築が許可されるケー
スがあります。
この場合、地元の役所で相談し、必要書類を提出して申請することになりますが、必ずしも許可が得
られるとは限りません。

専門の買取業者にに売却する

一般の市場で売却が難しい場合、専門の不動産買取業者に売却する方法もあります。
買取価格は市場価格より低くなる可能性がありますが、迅速な現金化が可能となり、早期解決が望め
ます。

相続予定の不動産が再建築不可物件かどうか調べる方法

相続予定の不動産が再建築不可物件かどうか分からない場合も多いでしょう。
当該不動産が再建築不可かどうか調べる方法としては、次のものがあります。

  • 不動産業者に確認する
  • 役所の建築課に確認する

それぞれ、詳しくみていきましょう。

不動産業者に確認する

まず、その不動産を購入した業者、または売却を検討している場合は売却予定の不動産業者に問い合
わせるのがよいでしょう。
これらの専門家は物件の歴史や制限について詳しい情報を持っているケースが多々あります。

役所の建築課に確認する

地域の役所、特に建築課や建築指導課では、不動産に関する詳細な情報を提供してくれます。
再建築不可物件かどうかを確認するためには、登記簿謄本や建物図面などの必要書類を持参する必要
があります。
これらの書類は法務局で入手可能で、オンラインでの手続き後、郵送で受け取れます。
ただし、必要な書類は自治体によって異なるため、訪問前に事前に確認することが重要です。

再建築不可物件を相続するデメリット

万が一相続した不動産が再建築不可物件だった場合、どのようなデメリットが考えられるのでしょう
か。
具体的には、以下のとおり。

  • 建て替えができない
  • 売却しづらい
  • 固定資産税などの費用がかかる
  • メンテナンスの手間がかかる
  • 自分の子どもや孫に影響を及ぼす可能性も

それぞれ、個別にみていきましょう。

建て替えができない

再建築不可物件は、一度解体すると再建が不可能な物件を指します。
そのため、老朽化や災害で住めなくなった場合、新たに建物を建てることができず、居住の選択肢が
失われます。

売却しづらい

再建築不可の性質上、このような物件の市場価値は通常よりも低くなりがちです。
結果として、買い手が見つかりにくく、もし売却できたとしても周辺の不動産価格よりもかなり低い
価格での取引になる可能性も高いでしょう。
その他、固定資産税やメンテナンスの費用負担、将来の世代への影響も考慮する必要があります。

固定資産税などの費用がかかる

不動産所有者は、再建築不可物件であっても固定資産税を支払う義務があります。
これは毎年1月1日の時点での所有者に課税されます。さらに、地域によっては都市計画税の支払い
も必要になることがあります。

税金の支払いだけでなく、建物の修繕や損害賠償費用などの追加費用が発生する可能性もあります。
例えば、物件の構造物が破損し、それにより第三者に損害を与えた場合、その責任として修繕や賠償
責任を負うことになります。

メンテナンスの手間がかかる

空き家として放置された不動産は、周辺住民に迷惑をかける原因にもなり得ます。
不法投棄の対象となることもあり、草刈りや木の剪定などの定期的なメンテナンスが必要になること
もあります。
これらの手入れは時間と労力を要する上、コストもかかる可能性が懸念されるでしょう。

自分の子どもや孫に影響を及ぼす可能性も

再建築不可物件は、将来の世代にも影響を与える可能性があります。
所有者が変わるにつれて、物件の売却がさらに困難になることが予想され、結果的に子孫に経済的な
負担や管理の責任を与えることになりかねません。

相続前に再建築不可物件だとわかっている場合の対処法

相続前の段階で(相続予定の)不動産が再建築不可物件だとわかっているのであれば、適切に対処し
ましょう。
具体的には、以下の方法が有効です。

  • 遺産分割協議をする
  • 相続放棄をする

次項より、詳しく解説します。

遺産分割協議をする

遺言書が存在しない場合、相続人全員で遺産の分割方法について協議する必要があります
協議の前には、遺産の評価額を算定し、被相続人の財産や負債を記した財産目録を作成することが有
効です。

この過程で、不動産の価値や将来にわたる管理責任についても考慮する必要があります。

協議後は、全員の実印が押された「遺産分割協議書」と印鑑証明書を提出します。
ただし、協議書には全相続人の同意が必要で、一部の相続人が反対する場合や連絡が取れない場合は、
協議は成立しません。

相続放棄をする

相続放棄は、被相続人の財産や負債を一切承継しない選択を意味します。
この手続きを行うことで、相続人は最初から相続権がなかったかのように扱われ、再建築不可物件を
含む相続財産の承継を避けられます。

相続放棄には期限が設定されており、「相続を知った日から3ヶ月以内」に手続きを完了する必要があ
ります。
必要書類は「相続放棄申述書」などで、これを家庭裁判所に提出し、受理されると放棄が成立します。

自分で手続きする場合の費用は数千円程度ですが、手間がかかるため、専門家に依頼する場合は数万
円の費用が発生することもあります。

相続放棄を選択すると、不動産だけでなく、その他の財産や借金などの相続も放棄することになりま
す。
これには車や証券、保険など、他の資産価値があるものも含まれます。
プラスの遺産が多い場合、放棄するかどうかを慎重に考慮することが重要です。

相続放棄を行うと、次に相続権がある人に相続権が移ります。
例えば、夫が亡くなり、妻と子が相続人の場合、妻が放棄すると、相続権は夫の両親に移ることにな
ります。
そのため、相続権の移動を事前に関係者に伝えるようにしましょう。

代償分割

代償分割は、1人の相続人が財産を取得し、その人が他の相続人に代償金を支払うことで遺産を分割
する方法です。
これは特に、現物分割が困難な場合に適用されます。

例えば、兄弟のうちの1人が再建築不可物件を相続し、他の兄弟に代償金を支払うという形です。

代償分割を行うためには、相続する財産を取得する人が代償金を支払う能力を持っていることが必要。
もし再建築不可物件を相続する兄弟(上記の例では長男)が代償金を支払う能力がない場合、この方
法は適用できません。
したがって、代償金を払える財力の有無が、代償分割を検討する際の重要な前提条件となります。

換価分割

換価分割は、遺産を売却し、得た金額を相続人間で分割する方法です。
特に再建築不可物件のような不動産の場合、物理的に分割が不可能なため、換価分割が有効な手段に
なり得ます。

ただし、再建築不可物件は一般的な不動産市場での需要が低く、売却が困難であるケースが多々あり
ます。
そのため、物件を現金化し、遺産分割を実現するのが難しい状況になることがあります。
このような換価分割の遅延は、相続人間のトラブルの原因になりかねません。

まとめ

相続した実家の遺品整理が進まず、再建築不可で売却が可能かも分からない場合どうしたら良いかに
ついて解説しました。
空き家を悪い状態で放置し続けることにリスクが多く存在することにも注意しなければなりません。
あまりにも荷物が多くて遺品整理が難しい場合は、まず業者さんに相談してみることをおすすめしま
す。
空き家の接面道路が狭い場合、現代の法律的に再建築不可能なケースがあります。その場合でも不動
産売却の専門家に相談したことで、不用品回収の費用負担なく現況のまま買い取ってもらう先を見つ
けることができました。
遺品整理や売るのが難しそうな特殊な物件の売却に関するご相談は是非当社までお気軽にお問い合わ
せください。

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