今回は、比較的大きな土地をご所有されている方からよくいただくご相談、「少しでも高く売りたいので、自分で土地を分割して売りたい」「不動産会社のように分筆して細かく売却していきたい」というご質問にお答えします。
一見、広い土地を複数に分けて売れば、買いやすい価格帯になり、結果的に高く売れるのでは?と思われるかもしれません。
しかし、実はこの方法には重要な法律の制限があります。
個人が自由に土地を分割して売っていいのか?
結論から申し上げますと、基本的にNGです。
その理由は?
なぜなら、個人が反復継続的に、不特定多数の相手に対して土地を分割して売却する行為は、宅地建物取引業法(宅建業法)に抵触する可能性があるからです。
宅建業法とは、簡単に言えば「不動産の取引を安全・公平に行うために、不動産取引のプロである業者(宅建業者)にしか認められていない範囲の取引行為」が定められている法律です。
この法律では、不動産を反復継続的に販売する場合は、必ず宅建業の免許が必要とされています。
つまり、仮にご自身の所有地であっても、
- 何度も
- さまざまな人に対して
- 分割して売却する
という行為を行うと、宅建業者と同じ立場での営業行為とみなされてしまい、無免許営業(無許可取引)と判断される恐れがあるのです。
「反復継続」「不特定多数」とは?
少し専門的な言葉ですが、ポイントを噛み砕いて解説します。
1. 反復継続とは?
反復継続とは、読んで字のごとく「繰り返し何度も取引を行うこと」を意味します。
例えば、
- 1つの大きな土地を10区画に分け、何人かにバラバラに売却する
- 今年はA区画、来年はB区画…と、定期的に取引を行う
など、継続性が見られる場合は要注意です。
1回限りの売却であれば問題ありませんが、繰り返していく意思が明確な場合には宅建業と判断されます。
2. 不特定多数とは?
こちらは取引相手が「知り合いや特定の人」ではなく、一般的な第三者を対象としている場合です。
例えば、
- 親戚や家族、友人に1回だけ土地を譲る
- 近所の決まった1社に一括売却する
という場合であれば問題ないケースがほとんどです。
しかし、
- その都度、広告を出して購入者を広く募る
- インターネットやチラシなどで一般向けに販売する
となると、「不特定多数の相手に販売」していると判断されます。
宅建業法違反になるとどうなる?
もし、免許を持たないままこのような取引を繰り返していた場合、宅建業法違反として罰則の対象になります。
具体的には、
✅ 3年以下の懲役
✅ 300万円以下の罰金
このようなペナルティが科せられる可能性があります。
「自分の土地だから自由に売っていいだろう」と思ってしまいがちですが、宅建業法は“消費者保護”の観点から厳しく定められています。
実際にどうするのが安全?
もし「土地が広く、いくつかに分けて売った方が高く売れそうだな…」と思われた場合は、ご自身で分割して売るのではなく、宅建業者に相談するのがベストです。
宅建業者であれば、
- 分譲計画の立案
- インフラ整備(道路・水道・排水)
- 開発許可申請
- 販売戦略の構築
などをプロの視点で行ってくれます。
ご自身でリスクを抱えるよりも、安全かつ高値で取引できる可能性が高くなります。
具体例で解説
ケース①:業法違反になるパターン
例えば、あなたが3,000㎡の大きな土地を所有していて、「これを10区画に分けて、それぞれ別々の購入者に売却しよう」と考えた場合を想定しましょう。
このとき、
- 複数の区画を不特定多数の人に売却
- 何度も取引を繰り返す
という行為に該当すると、宅地建物取引業法(宅建業法)違反となります。
宅建業法は「一般の個人が営利目的で、不特定多数に対して反復継続的に不動産取引を行うこと」を禁じています。
つまり、宅建業者の免許がない限り、個人が区画分けして複数回にわたって土地を売る行為は違法と見なされます。
違反した場合は?
- 3年以下の懲役
- 300万円以下の罰金
という重い罰則が科される可能性があるので注意が必要です。
ケース②:違反にならないパターン
一方で、違反に当たらない安全な方法もあります。
① 一括で1人の購入者に売却する場合
例えば、3,000㎡の土地をそのまままとめて1人の購入者(業者・個人問わず)に一括で売却する場合。
この場合は「不特定多数」への販売には当たらないため、宅建業法違反にはなりません。
つまり、
- 売却回数が1回きり
- 相手が1人
であれば、免許不要で合法的に取引が可能です。
② 最初に一部を売り、その後に事情が変わって残りを売る場合
例えばこんなケース。
「3,000㎡のうち、最初にA区画(1,000㎡)だけを売却。
残りのB区画(2,000㎡)は将来自分で使おうと思っていたが、後から事情が変わり手放すことにした。」
この場合、
- 最初から“反復継続して売却する意思”がなかった
- 事情が変わった結果、後から売却
と見なされるため、宅建業法違反には該当しません。
宅建業者ならできること
「どうしても土地を細かく分割して、多くの買主に1区画ごとに売却したい!」
という場合は、必ず宅建業者(不動産会社)に依頼する必要があります。
宅建業者は、
- 分譲地として区画割り
- 公共インフラ整備(上下水道・電気・道路など)
- 必要な許可申請
- 不特定多数の買主への販売
これらの手続きを、法的に認められた免許のもとで行うことが可能です。
では個人が少しでも高く売るにはどうすれば?
広い土地だからと言って、自分で分割して売らなくても、売却方法や戦略の工夫で高値売却は可能です。
- 一括での売却でも、分譲を想定する業者に売却する → その業者が土地開発を見込んで高めの価格で買ってくれるケースもあります。
- 土地の魅力をしっかり整理する → 接道状況やインフラの整備状況などを把握し、情報を明確に提示するだけでも、評価は上がります。
- 開発可能性を調査する → 用途地域や建ぺい率・容積率、法令制限を事前に整理しておくと、購入希望者が安心し、スムーズに交渉できます。
まとめ
- 個人が自由に土地を分割し、何度も売却することは宅建業法違反になる可能性が高い。
- 反復継続的に不特定多数へ売却する場合は、宅建業免許が必要。
- 一括売却や必要部分だけの売却であれば違反にはならないケースも。
- 少しでも高く売りたい場合は、プロの宅建業者に相談し、最適な売却プランを立てるのが安心・安全。
当社「株式会社ホワイトハウス」では、大きな土地の売却相談はもちろん、分譲を前提とした買取も積極的に行っております。
「どう売ればリスクなく一番良い形で売却できるか?」をしっかりご提案しますので、お気軽にご相談ください!