住宅ローンの返済が困難になり、不動産を売却して債務整理を行う「任意売却」。
その中で、しばしば話題に上がるのが「ハンコ代」という言葉です。
「任意売却って普通の売却と何が違うの?」
「ハンコ代って何の費用?受け取っても大丈夫?」
「トラブルにならないように進めるにはどうすれば?」
今回は、任意売却の仕組みとともに、「ハンコ代」の意味や実際の取り扱い方について、わかりやすく解説していきます。
そもそも任意売却とは?
任意売却とは、住宅ローンの支払いができなくなった場合に、金融機関(債権者)の同意を得て、競売にかける前に市場で不動産を売却する方法です。
通常の不動産売却と違い、住宅ローンの残債があっても売却が可能で、
・自己破産を避けたい
・競売による不利益を回避したい
・少しでも手元に資金を残したい
といった方に選ばれる選択肢です。
任意売却と競売の違い
項目 | 任意売却 | 競売 |
---|---|---|
売却価格 | 市場価格に近い金額で売却可能 | 相場よりも2~3割低くなる傾向 |
手続きの主体 | 売主自身が選んだ不動産会社が対応 | 裁判所主導 |
プライバシー | 公開されず売却できる | 物件情報が公開される(新聞やネット) |
残債処理 | 売却後の交渉の余地がある | そのまま残債請求されるケースが多い |
つまり、競売より任意売却の方が圧倒的にメリットが多いと言えます。
任意売却の流れ
- 金融機関へ返済困難の意思を伝える
- 不動産会社(任意売却に強い業者)に相談
- 債権者の合意を得て、売却活動開始
- 買主が見つかると、債権者・保証会社との条件調整
- 売却代金で住宅ローンを返済し、残債は分割などで整理
この過程で登場するのが、「ハンコ代」という言葉です。
「ハンコ代」とは?何のお金?
「ハンコ代」とは、任意売却の際に、所有者が売却に協力したことに対する“お礼”や“協力金”として支払われる金銭を指します。
言葉のイメージから「印鑑を押すだけでお金がもらえる?」と誤解されがちですが、実際には…
- 所有者が任意売却に同意して手続きを進めてくれた
- 引越し日などを調整し、明け渡しに協力してくれた
- 残置物の撤去を行い、トラブルなく物件を引き渡してくれた
などの「協力に対する謝礼」的な意味合いを持ちます。
ハンコ代はいくらぐらいもらえるのか?
金額はケースバイケースですが、目安としては5万円〜30万円程度が一般的です。
ただし、これはあくまで債権者(金融機関)との交渉次第です。
重要なのは、任意売却の売却代金の中からハンコ代が支払われる場合、
債権者の承認が必要になるという点です。
勝手に「ハンコ代」として現金をやりとりすると、後々トラブルになる可能性があります。
ハンコ代にまつわるよくある疑問
Q.「ハンコ代」は絶対にもらえるの?
A. いいえ、必ずもらえるとは限りません。
債権者の方針によっては一切支払われない場合もあります。
Q.「ハンコ代」は違法なの?
A. ハンコ代自体は違法ではありません。
ただし、不正に現金を渡す、贈収賄のような目的で使う、税務申告を怠るといった行為は問題となります。
また、ハンコ代があまりに高額な場合は、債権者から差し止められる可能性もあります。
Q.「引っ越し費用」は出してもらえるの?
A. 引っ越し費用の一部として、ハンコ代を名目に支払うこともあります。
ただし、これもあくまで債権者の了承が前提です。
トラブル回避のためのポイント
- すべての金銭のやり取りは書面化すること
- 債権者の許可を得ずに現金を授受しないこと
- 不動産会社に「任意売却に精通しているか」を必ず確認すること
特に、悪質な業者が「必ずハンコ代もらえますよ」と甘い言葉で誘導し、
後から「話が違った!」というケースも少なくありません。
まとめ:任意売却は「正しい知識」と「専門家選び」がカギ
✅ 任意売却は、競売よりも売主にとって有利な手段
✅ ハンコ代は「協力金」だが、必ずもらえるわけではない
✅ 金銭のやり取りはすべて債権者の了承が必要
✅ 信頼できる不動産会社・専門家に相談することが成功の近道
「住宅ローンの返済が厳しい…」「でも家は競売にはかけたくない」
そんな方は、任意売却という選択肢をぜひ知っておいてください。
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