不動産売却を進めていく中で、いざ買主が見つかり、いよいよ契約!となったときに、売主様が記入しなければならない大切な書類があります。
それが「付帯設備表」と「物件状況確認書(告知書)」です。
この2つの書類は、不動産売買契約の際にトラブルを未然に防ぐための“重要書類”となります。
契約後に「聞いていなかった」「壊れているとは思わなかった」といった問題が起こらないように、売主様には正直・正確に記入していただく必要があるのです。
この記事では、「付帯設備表」と「物件状況確認書」の役割や注意点、書き方のポイントなどを分かりやすく解説していきます。
付帯設備表とは?
付帯設備表とは、その住宅に付属している設備や備品(例:キッチンの換気扇、給湯器、照明器具、網戸、カーテンレールなど)が売買対象に含まれるのか否か、また、その設備が正常に動作するかどうかを明記する書類です。
✅ 主な記載項目の例
- 給湯器・浴室乾燥機・温水洗浄便座
- エアコン・照明器具
- 網戸・雨戸・カーテンレール
- TVアンテナ・インターホン・ドアホン
- システムキッチンの各設備(コンロ、換気扇、水栓など)
これらについて、「引き渡す」か「撤去する」か、「故障の有無」などを記入していきます。
物件状況確認書(告知書)とは?
物件状況確認書は、売主がその物件について知っている「物理的・心理的な不具合や事実」を買主に伝えるための書類です。
これには以下のような情報を記載します。
✅ 主な告知項目の例
- 雨漏り・シロアリ被害の有無
- 給排水管の故障・漏水の有無
- 境界に関する問題や越境の有無
- 建物内での事件・事故(自殺・孤独死など)の有無
- 近隣住民とのトラブルや苦情
- 土地の地盤・造成履歴など
「売主は知らなかったが、後から発覚した」というケースでも、買主から損害賠償を求められる可能性があるため、知っていることはすべて記入するのが鉄則です。
なぜこの2つの書類が重要なのか?
付帯設備表と物件状況確認書は、不動産売買契約書の「添付書類」として扱われ、契約書と同様に法的な効力を持ちます。
契約後、引き渡し前後に「記載と実際が違った」という場合、契約不適合責任に問われ、損害賠償や契約解除を請求されることもあるため、トラブル回避のためには正確な記入が不可欠です。
売主が記入する際の注意点
1. 嘘やごまかしは絶対にNG!
「壊れているけど動くからOKにしよう」「古い設備だけど、見た目はキレイだから故障なしにしておこう」といったごまかしは後々トラブルの元になります。
特にインターネット検索で情報を集められる現代では、隠した事実はすぐに発覚する可能性が高いです。
2. 曖昧な記載を避ける
「多分、大丈夫」「以前に修理したから今は問題ないと思う」という表現も避けましょう。
不安な部分がある場合は、「要確認」「現状引渡し」「故障の可能性あり」など、補足コメントを加えるのがベターです。
3. 記入に迷ったら不動産会社に相談を!
内容に不安がある場合は、担当の不動産会社の営業担当に確認することが大切です。
無理に記入するのではなく、「確認中」「不明」とすることで、トラブルを防ぐことができます。
トラブル事例とその教訓
ケース1:エアコンの故障
売買契約時に「エアコンは動作良好」と記載されたが、引き渡し後すぐに故障。
買主が修理費の請求を申し出たが、売主は「壊れているとは思わなかった」と主張。
→ 修理費の半額を負担することで解決。
教訓:動作確認が取れない設備は、事前に動作チェックしておくことが大切。
ケース2:心理的瑕疵の告知漏れ
過去に同居家族が室内で孤独死していたが、告知書に記載せず。
後に買主がインターネット情報で事実を知り、契約解除と損害賠償請求へ。
→ 売主が約100万円の損害賠償を支払う事態に。
教訓:「告知しなくてもよい」と自己判断せず、不安があれば不動産会社や専門家に相談を。
記入前にチェックしておきたいこと
- 家の中の全設備(照明、給湯器、コンロ、洗面台、換気扇など)の動作チェック
- 建物の修理履歴やリフォーム歴の確認
- 境界標や越境物の有無
- 土地に関する権利関係(私道の共有持分、接道状況など)
- 近隣とのトラブルや苦情履歴
- 過去の雨漏りやシロアリ被害の記録
まとめ
不動産売却において「付帯設備表」と「物件状況確認書」は、契約の信頼性と安全性を担保するために欠かせない書類です。
面倒に感じるかもしれませんが、売却後のトラブルを防ぐ最大の手段でもあります。
✅ 少しでも気になることは正直に記入する
✅ 記載に迷うときは専門家に相談する
✅ 書類作成後は、買主にも十分に説明し、納得のうえで契約を進める
これらを意識しておくことで、スムーズな売却と円満な取引につながります。