不動産売却仲介買取 売却の流れ

売却の流れ

実際の不動産売却の流れを売り主の視点で6ステップに分けてそれぞれ解説していきます。

不動産売却の流れ【6ステップの全体像を図解】
不動産売却は、以下のように

①売却を不動産会社に依頼する、
②媒介契約を結ぶ、
③販売活動を開始する、
④売買契約を締結する、
⑤契約後の引渡し・決済、
⑥確定申告をおこなう、


の6つのステップで進んでいきます。
不動産の売却にかかる期間は4ヶ月程度です。
それぞれのステップについて、これから解説していきます。

STEP1:不動産会社に売却の相談をもちかける
まず、不動産売却とはどのようなものかについて不動産売却に詳しい知り合いに聞いたり、書籍やインターネットを使うなどして情報収集をしましょう。
不動産会社に連絡をして「不動産を売却してもらえませんか」という旨の売却の相談をします。
基本的には対面で話すことをお勧めします。不動産売却では、会社の雰囲気や担当者の人柄を把握することも大切です。
相談は手ぶらでも構いませんが、できれば事前に必要な書類は準備しておくと話が進みやすいです。
所有不動産の物件概要書
登記事項証明書(登記情報)、もしくは固定資産税納税通知書
間取り図および敷地測量図
相談と同時に、不動産の売却価格を決めるために不動産会社から価格査定を受けます。
不動産の「査定」とは、不動産会社が売却予定の不動産が売れそうな価格を付けることを指します。
不動産市場の相場に対して高すぎると買い手に見向きもされず、低すぎると売主が損をしてしまうため、不動産売却のなかでも1つ目の要所です。
価格査定には机上査定と訪問査定(実査定)の2種類がありますが、不動産を売ることが決まったら担当者に物件の内覧をしてもらい訪問査定を受けるのが通例です。
なおここで、複数の不動産会社に依頼すると、査定価格で不動産会社を比較検討することができます。
複数の不動産会社に対して「一括」で、不動産の資産価値を「査定」してもらうことを一括査定と呼びます。
複数社に依頼することで、査定時の担当者の対応や査定結果を比較を基に不動産会社選びに活かすことが出来ます。

STEP2:不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産会社を選んだら、売主と不動産会社との間で媒介契約を結びます。媒介契約とは、売却が成立したときの不動産会社が受け取る報酬額や売却活動の方針を取り決める契約です。
媒介契約を結ぶ際に、自分が把握している建物の雨漏りや周辺の騒音等、売却する不動産の状況を報告書(告知書)としてまとめて記しておきます。
建物内にある設備等の故障や、不動産の付帯設備として何を置いていくかを付帯設備表と呼ばれる書類に記入します。
「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類から媒介契約の種類を選びます。不動産を売却する理由やご自身の状況をもとに契約の種類を選びましょう。
それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

媒介契約の内容が決まり販売活動の方針を決められたら、署名・捺印をおこない、媒介契約を締結します。

STEP3:不動産の売却活動を開始する
媒介契約を結ぶと、正式に不動産会社が仲介として不動産の売却活動を開始します。ここからは基本的に売主ではなく不動産会社主導で売却は進みます。
販売活動は売主の状況や売却する物件によって異なりますが、まずは相場や査定額・不動産市況をもとに売り出し価格を決定します。
その後、不動産会社の販売促進活動が開始します。広告を見て興味を持った人から不動産会社が問い合わせを受けます。
問い合わせがあれば、買主へ物件の案内・説明をおこないます。仲介する不動産会社に全てを任せてもいいですが、実際に売主が案内に立ち会って案内・説明をおこなうことが通例です。
内覧日を調整して、事前準備も行います。
案内をした何名かの中から、物件を気に入った人から購入の申し込みを受けます。
なお、専属専任媒介契約、もしくは専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は定期的に売主へ売却活動報告を行う義務があります。
そのため、メール・電話・手紙、訪問何らかの方法で不動産会社から連絡が来るので売りに出した反響がどの程度あったかを定期的に知ることができます。
案内が終わったら、不動産会社からの連絡を待ちます。この段階で買い主からの条件交渉(値引き交渉)を受けることもあります。
不動産の売却で一番悩むところかもしれませんが、一度売り時を逃すとずるずると引きずられてしまうもの。売却完了に向けて、条件交渉には前向きに検討していきましょう。
価格交渉の他にも引渡し時期なども条件になることがあります。
内覧を経て購入意思が固まった人から不動産会社経由で購入申込書(買付証明書)を受け取ります。売却活動の一連の手続きを経て、購入者が確定したら売却活動は終了です。
売却完了までのイメージができたらまずは査定からスタートしてみましょう。

STEP4:買主と売買契約を締結する
買主が決定したら、不動産会社が「買主側の住宅ローン事前審査」と「物件の最終調査」をおこない、特に問題がなければいよいよ不動産売買契約を結びます。
売買契約は、売主・売主側仲介業者・買主・買主側仲介業者の四者が、売主側仲介業者のオフィスにて一堂に会し行うことが多いです。
どうしても売主と買い主の都合がつかないときには、手付金の支払い方法や手付金領収書の受け渡し方法など重要事項を事前に決めた上で、
署名捺印を別日に行うこともできます(※「持ち回り契約」といいます)。
売買契約の前には必要書類を準備しておきましょう。売買契約時で売主の必要書類は以下のとおりです。

実印・認印
身分証明書
登記済権利証
印鑑証明書
収入印紙

契約場所に集まり、挨拶も終了したらいよいよ契約です。宅地建物取引士が同席し重要事項説明の読み合わせをおこない、売買契約書を締結します。
契約では、契約書に署名の押印をおこない、用意した書類をもとに本人確認をおこないます。本人確認ができたら手付金の授受を同時におこないます。
内容に合意したら、売主・買主双方が契約書への署名・押印を行います。契約後、印紙が適切に貼られた契約書を売主・買主が一部ずつ持ち帰ることになります。
売買契約自体は、以上の流れで完了します。
また、不動産の「権利証」がない場合は適切に決済を行う事ができないため、決済の前までに探しましょう。
万が一、紛失していた場合「本人確認情報」の作成を司法書士に依頼します。費用は5~10万円です。

STEP5:物件の引渡し・決済をおこなう
売買契約のなかで定めた日時で決済と引渡しが行われます。売却価格分の代金を買主から受け取るだけでなく、
売主の住宅ローンが残っている場合は融資先の金融機関との間で同時に返済を行います。
売主・買主・不動産会社・金融機関の担当者を交えて決済が完了したら、同日のうちに不動産の現地に赴き不動産の引渡しが行われます。
金融機関へ一括返済費用・不動産会社へ仲介手数料の半金・司法書士へ登記費用を支払い、決済を完了させます。
そして、買主への引き渡しの前に、隣地との境界や引き渡す面積を確定するために土地の確定測量をおこないます。
これは売却する不動産の範囲を決めるために実施するものです。確定測量には費用がかかるので、売買契約後におこなうのが妥当です。
物件にまだ銀行のローンが残っている場合は、決済の前に抵当権の抹消準備をします。
金融機関に連絡すると、抵当権抹消書類の準備をしてくれます。
決済・引渡しを終えたら、仲介した不動産会社は一旦役目を果たしたことになります。
不動産売却に区切りがつき、次のステップに移ります。

STEP6:不動産売却後の確定申告
不動産売却後、売主は不動産売却によって得た利益にかかる税金を納付するために売主は確定申告を行う必要があります。
約1年間ほど期間が空きますが、毎年2月中旬~3月中旬の1ヶ月の間に行います。
確定申告を行うことで、利益にかかる税金の額を減額することが出来る特例制度があります。
同じく、不動産売却によって利益が得られず損失を生んでしまった場合でも損失を減らすことが出来る特例制度もあるため、
不動産売却をした方は必ず行うべき手続きとなります。
まずは書類を準備しましょう。どこでどんな書類を準備すべきかを以下でまとめました。

市区町村役場から住民票を入手
法務局から建物・土地の登記事項証明書を入手
会社から源泉徴収票を入手
税務署から確定申告書・計算明細書を入手
不動産売買契約書のコピーを取る

確定申告書等の書類が記入できたら、税務署で手続きをおこないます。確定申告を終えたら、不動産売却は完了です。
不動産を売却する際の流れをご説明してきましたが、いかがでしたか。大きな金額が動く不動産取引では、
あらかじめ全体の流れを理解しておくことが失敗しないためのコツです。
また、所有している不動産の相場を把握したり、仲介の契約するを不動産会社を選んだりすることも、損をしない不動産売却において大切になってきます。